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『週刊がん もっといい日』編集部(株式会社日本医療情報出版)
      
週刊がん もっといい日
2018年Vol.519
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18年1月4日更新内容の前記事は
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「がん患者さんが治療をしながら働き続けるためには関係者が
どのように対応したらいいか」テーマに1月13日、ワークショップが開催されます
 寒くもあり、暖かくもありの2018年新年から10日間が経過しました。『週刊がん もっといい』のご愛読者の皆さま、2017年度の1年間、ご愛読ありがとうございました。
 本年も、より多くの情報を入手して皆さまにご提供いたしますが、がん患者さんとご家族の皆さまも、セミナーやイベント、闘病記等々、お寄せいただくようにお願いいたします。 
 さっそくですが、静岡県立がんセンターから、がん患者さんの治療と仕事の両立を目指し医療機関の相談員と企業人事担当者、両立支援促進員、社会保険労務士、産業カウンセラー、ハローワーク相談員、患者(ピアサポーター)など、相談員としてがん患者を支援する立場にある関係者に呼びかけた、「がん患者さんが治療しながら働き続けられるためには、どのように支援をしていくか」をテーマにしたワークショップ開催の知らせが寄せられましたので、お知らせいたします。
■開催日時:1月13日(土)10時?16時
■会  場:もくせい会館 第一会議室(静岡市葵区)
■内  容
<第一部:グループワーク>
両立支援相談で大切にしていること、困っていること、現在行っていること、確認したいことなどを話し合います。
<第二部:パネルディスカッション『ディスカッションから見えてきた現状の両立支援の共有と今後』>登壇者:高田由香(静岡県立静岡がんセンター専門監)/秋山隆子(静岡産業保健総合支援センター両立支援促進員)/秋山隆子(沼津法人会専務理事)/患者会(ピアサポーターを予定)
(1)がん相談支援センター及び病院等においてがん相談業務を担当する者/(2)企業人事担当者/(3)がん患者の就労支援に関心のある社会保険労務士、産業カウンセラー、ハローワーク相談員、患者会、ピアサポーター、労働関係機関など
■参加費:無料
■申込先:静岡県立静岡がんセンター(疾病管理センターよろず相談 FAX:055-989-5713)
■問合せ:静岡県立静岡がんセンター(疾病管理センターよろず相談 TEL:055-989-5222/静岡労働局職業安定課(TEL:054-271-9950)
 がん患者さんにとって、働きながら治療するためには関係者のサポートが不可欠です。どのように対応していくのか。多くの方々が参加し患者さんのために活発な話し合いが行われることを期待しています。
 さて今週もまた、皆さまにとって「もっといい日」でありますように???。
『週刊がん もっといい日』編集長 山本武道
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「もっといい日」図書室からのお願い!
がんの治療法(手術療法、化学療法、放射線療法、免疫療法、補完?代替療法など),食事療法、闘病記等々、がんに関する推せん書籍を、ご紹介ください。
皆さまが、最近読まれた書籍で、患者さんや家族の方々に、ぜひ読んでいただきたい書籍を、「もっといい日」図書室まで、下記の要領でお知らせください。
<お知らせいただく項目>
(1) 書籍名(2)著者と筆者の所属先及び連絡先(住所、電話番号)(3)発行出版社(住所、電話番号、メールがあればアドレス)(4)価格(5)簡単な紹介文(400字以内)(6)あなたさまの氏名、住所、連絡先(仮名も可)
送付先E-mail:
がん関連書籍を紹介した『もっといい日 図書室』をご利用ください
がんに関する書籍が、相次いで出版社から刊行されていますが、「うっかりして買い忘れた」「知人から聞いた」「確か新聞や雑誌で紹介されていた」等々、入手できなかったというケースは少なくありません。
 そこで『週刊がん もっといい日』編集部では、がん関連書籍の発行先、著者の連絡先がわかる、『もっといい日 図書室』を開設いたしました。
 リストには、書籍名、発行元(出版社名?連絡先)、著者(著者の専門部位?所属先?連絡先)を掲載しておりますが、ただし著者の所属先及び連絡先が変更になる場合もありますので、ご了承ください。今後、がん関連の書籍リストは、随時、追加していきます。
『もっといい日 図書室』の閲覧は、トップページ上部のをクリックしてください。
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クローズ?アップ
乳がん?卵巣がん患者さんにおける遺伝性乳がん?卵巣がんの情報提供のニーズと現状に大きなギャップ?医師からの情報提供は2割に留まる?アストラゼネカ、乳がん?卵巣がん患者のHBOC調査結果発表
 アストラゼネカ(本社:大阪市北区)は、9月最終週の「遺伝性乳がん?卵巣がん(HBOC)啓発週間」に合わせ、乳がん?卵巣がん患者さんを対象にHBOC調査を実施しました。
「HBOCは、親から受け継がれた特定の病的な遺伝子変異が要因となり発症する遺伝性腫瘍の一つ。BRCA1あるいは BRCA2というがん抑制遺伝子の生まれつきの変異が原因で発症し(1)、一般的な乳がん?卵巣がん患者さんの約5?10%を占めます(2)。
 また、HBOC患者さんは一般の方よりも乳がんの発症率が6?12倍、卵巣がんの発症率が8?60倍高いといわれています(3)。
 乳がん?卵巣がん患者さんがより良い治療を選択するためには、HBOCの十分な理解が必要ですが、乳がん?卵巣がん患者さんにおけるHBOCの認知度はまだ半数(4)と高くありません」
 同社によれば、調査はHBOCの認知理解の向上を目的とし、乳がん?卵巣がん患者さんにおけるHBOC関連情報へのニーズと情報の入手状況を明らかにしました。
 その結果、患者さんの6割以上は診療時に医師からHBOCの情報を得たいと思っていたにも関わらず、実際に情報を得ることができたと回答した患者さんは2割に留まっているという現状も明らかになりました。
 調査結果のポイントは次の通り。
 乳がん?卵巣がん患者さんの62.3%が、医師から遺伝性かどうかについての情報を提供してほしいと思っているものの、実際に情報を提供された患者さんは22.1%に留まりました。
 乳がん?卵巣がん患者さんのHBOC認知経路で最も多いのは「テレビ?ラジオ」(64.2%)、次いで「インターネット」(43.3%)の順。「医師」と「新聞、雑誌」はともに26.9%でした。
 HBOCの一次拾い上げに役立つ情報の一つは「患者さんの第一から第三度近親者におけるがん罹患歴(家族歴)」、乳がん?卵巣がん患者さんにおける家族歴の把握度は第一度と第二度近親者で9割を超え(第一度近親者:100%、第二度近親者:96.4%、第三度近親者:71.6%)、患者さんは医師に問われれば、HBOCスクリーニングに役立つ情報を十分に有していることが分かりました。
 HBOCの説明を受けた場合、患者さんの63%がHBOCを自分と関係している疾患だと捉え、58.4%はさらに詳しく知りたいと回答したことから、患者さんへのHBOCの情報提供の機会を準備することが重要であることが明らかになりました。
 調査の監修者である新井正美氏(がん研究会有明病院 遺伝子診療部長)は次のように語っています。
 「医師からのHBOCに関する情報提供において、患者さんのニーズと現場の対応に大きなギャップがあることが本調査で浮き彫りとなった。患者さんは現在、テレビやインターネットからHBOCの情報を得ることが多いが、医師を含めた医療従事者からの情報提供を求めている。今後、診療の担当医もその役割をより強く認識することが必要である」
<調査結果概要>
医師から提供してほしい?ほしかった情報として、「自身のがんが遺伝性かどうか」と回答した患者さんは62.3%。一方、実際の治療中に「医師から遺伝性かどうかの情報提供があった」と回答した患者さんは22.1%と、ニーズと現状には大きなギャップがあることが分かりました。
 HBOCの認知経路としても、「医師」は3割弱にとどまっています。
乳がん?卵巣がん患者さんは自身の「がん家族歴」の把握度合に関して、第一度近親者で100%、第二度近親者で96.4%、第三度近親者で71.6%と高い割合で把握していると回答しています。
調査内で患者さんがHBOCについて説明を受けると、約7割の患者さんが、「自分の子供など親族のことが心配になった」(33.1%)、「自分の乳がん?卵巣がんが遺伝性なのか知りたいと思った」(27.3%)など、自身のがんとHBOCの関連性を意識しました。
 この結果から、さらなる情報提供へのニーズがあることが明らかになりました。遺伝性乳がん?卵巣がん (HBOC)に関する調査レポートはURLでみることができます。
<遺伝性乳がん?卵巣がん (HBOC)について>
 HBOCは遺伝性腫瘍の一つで、BRCA1 あるいは BRCA2 というがん抑制遺伝子の生まれつきの変異が原因で発症します。HBOCでは、通常の乳がんよりも若くして罹患する、乳がんと卵巣がんの両方を発症するという特徴があります。
 乳がんではトリプルネガティブ乳がん(*)や、両方の乳房に発症、もしくは片方に複数回発症するという現象が見られることがあります。
 遺伝性の疾患であるため、BRCA1およびBRCA2遺伝子の変異は、親から子へ、性別に関係なく50%の確率で受け継がれます。HBOCに関する自身および家族の遺伝子変異はBRCA1/2遺伝子検査(**)によって確認することができます。
 HBOCの発症の可能性やさまざまな不安については、専門の医師や認定遺伝カウンセラーに相談し、アドバイスを受けることができます。
(*)ホルモン療法の対象となるエストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモン受容体がなく、トラスツズマブという薬剤の治療対象となるHER2受容体の過剰発現もない乳がんのこと。悪性度が高く、現在治療選択肢が限定されている(5)。
(**)2017年10月現在、日本では国内未承認。
(1)日本HBOCコンソーシアム(2015)「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)をご理解いただくために(ver.3)」p.3
(2)日本HBOCコンソーシアム(2015). 遺伝性乳がん?卵巣がん症候群(HBOC)をご理解いただくために(ver.3), p5.
(3)NCCN腫瘍学臨床診療ガイドライン(2016). 乳癌および卵巣癌における遺伝学的/家族性リスク評価第二版, MS-5
(4)アストラゼネカ株式会社(2016). 遺伝性乳がん?卵巣がん(HBOC)に関する認知?理解度調査レポート, p.12.
(5)国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター2015 :
 より一部改変(参照)
日本イーライリリー主催
「がんと生きる」を分かち合う絵画?写真?絵手紙コンテスト
『第8回リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる私の物語』の
作品募集始まる
「がんと生きる」を分かち合う絵画?写真?絵手紙コンテスト『第8回リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる私の物語』の作品募集が始まりました。
  リリー?オンコロジー?オン?キャンバスは、がんと告知された不安や、がんとともに生きる決意、がんの経験を通して変化した生き方などを作品とエッセイで表現し、多くの人と想いを分かち合う場として製薬企業の日本イーライリリーによって、2010年に創設されました。
  受賞作品は、全国の医療機関や疾患啓発イベントなどで展示されるほか、リリー?オンコロジー?オン?キャンバスのウェブサイト()やFacebook)に掲載されます。
  「コンテストを通じて、一人でも多くの患者さんや支援者の方々の心に寄り添い、がんになっても自分らしく生きられる社会の実現を目指して継続的なサポートを提供してまいります」(日本イーライリリー)
  応募規定の詳細は次の通りです。
■応募テーマ:「がんと生きる、わたしの物語」がんと生きるあなたの想いを表現してください
■応募部門:A絵画?B写真?C絵手紙(※いずれか一つ/応募は1人1作品/作品を制作された背景(エピソード)について800文字以内の文章を添えること)
■応募資格:下記の(1)(2)(3)(4)すべての該当者
(1)医療機関で、がんと診断された方、または、がんと診断された方の家族、友人
(2)日本国内にお住まいで応募時の年齢が満20歳以上の方
(3)受賞の有無に関わらず、応募された作品がテレビやウェブサイトなどの各種媒体を通じて紹介されることに同意いただける方
(4)応募作品を売買対象としないことに同意いただける方
※コンテスト関係者、後援団体関係者及び日本イーライリリーの社員?取引先ならびに医療関係者などの応募はできません。
■賞の内容:最優秀賞<各部門1名>副賞:賞状、盾、15万円/優秀賞<各部門1名>副賞:賞状、盾、8万円/一般投票賞:<各部門1名>副賞:賞状、盾、5万円/入選:<若干名>副賞:賞状
■審査員:蓑 豊(兵庫県立美術館長)/岸本葉子(エッセイスト)/東儀光則(銅版画家)/平山ジロウ(フォトグラファー)
■審査について:「がんと生きる、わたしの物語」という募集テーマを的確にとらえた作品であるかを重視し、審査委員会による公正かつ厳正な選考を経て各賞を選出します。
■受賞作品発表:2018年6月?7月(予定)に、授賞式及びリリー?オンコロジー?オン?キャンパスのウェブサイト()やFacebook()で
■応募登録期間:日(火)?日(水)当日消印有効
■作品受付期間:日(金)?日(金)必着
■応募方法:(1)ハガキまたは専用の応募登録用紙(からダウンロード)に氏名、住所、生年月日、性別、電話番号、メールアドレス、応募部門を明記し下記事務局あてに送付(2)折り返し事務局から応募キットを送付(3)応募キットの記載内容を確認し、応募同意書に必要事項を記入し署名のうえ、応募作品と応募同意書を指定の期間内に送付
■主 催:日本イーライリリー株式会社
■後 援:厚生労働省/公益財団法人日本対がん協会/兵庫県/神戸市/大阪市
■応募ハガキの宛先?一般からの問い合わせ先:7(土日祝日除く平日:10時?18時)/E-mail:
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?遠隔診療を用いた全国的な取り組みで、妊孕性温存の選択肢を広げる?
がんになっても将来的な妊娠の可能性を残す 
京野アートクリニック高輪が「妊孕性温存」外来を開設
  医療法人社団レディースクリニック京野(所在地:宮城県仙台市、理事長:京野
廣一)から、京野アートクリニック高輪(所在地:東京都港区、院長:京野 廣一)で妊孕性温存外来および遠隔診療(以下、妊孕性温存外来)を2018年1月に開設するお知らせが届きましたので、以下に詳細を紹介します。
■「妊孕性温存(にんようせいおんぞん)」の現状
 近年、がん治療の進歩により、がんを克服する患者さまが増えています。その一方、化学療法など、治療の影響によって卵巣機能が損なわれ、若い段階で妊娠?出産が難しくなるケースがあることも指摘されています。
 とくに、治療開始までの時間的猶予が短い患者さまは、がん治療と妊孕性温存を天秤にかけ、短い時間で決断を下さなければなりません。
 このような患者さまに将来的な妊娠の可能性を残す「妊孕性温存」の選択肢として、卵子凍結、受精卵凍結、卵巣凍結があることは徐々に世間に広がってきていますが、まだまだ地域格差があり、患者さまへの情報提供は万全とは言えません。
■各医療機関と連携、地域格差なく妊孕性温存が実施可能
 この度の妊孕性温存外来の導入によって、日本全国のどの病院でがん治療を受けていても妊孕性温存の情報提供を行うことが可能になります。
 また、当院では2016年11月にHOPE(日本卵巣組織凍結保存センター)を開設しており、各医療機関と連携することで、卵子凍結?受精卵凍結だけでなく、卵巣凍結であっても地域格差なく実施できます。
 妊孕性温存では、がん治療が何よりも優先されるべきで、時間的猶予は少ないのが通常です。妊孕性温存外来の導入は、短い時間の中でもがん治療関係者と密に連携を取り、患者さまに十分な情報提供と選択肢を提供することによって、患者さまにとって納得のいく選択がより多くなされ、患者さまのQOL向上に貢献することを目的としています。
■妊孕性温存外来の概要
 名称:妊孕性温存外来/場所:京野アートクリニック高輪内(東京都港区高輪)/開設時期:2018年1月予定/内容:妊孕性温存のための情報提供/対象:がん患者さま(通院可能な方は来院いただき通院不可能な方は遠隔診療で対応します)
■妊孕性温存外来の流れ
 1) 医師or患者さまからの問い合わせ(紹介状は原則必須です)
 2) HOPE事務局にてヒアリングし来院予約?事前手配
  (事前の主治医の判断と患者さま本人の希望があり、卵巣凍結の適応となる場合には、卵巣摘出施設を当院連携施設より提示します)
 3) 来院or遠隔診療にて情報提供※
 4) 主治医とご相談いただき、妊孕性温存療法決定
 5) 妊孕性温存療法の実施
 6) 術後の経過や定期的なフォローアップ
 ※生殖医療専門医、不妊症看護認定看護師、がん?生殖医療専門心理士が対応します
■医療法人社団レディースクリニック京野について
 理事長:京野廣一/設立:1995年/所在地:京野アートクリニック(宮城県仙台市青葉区本町1-1-1 三井生命仙台本町ビル3階 URL:  / 京野アートクリニック高輪(東京都港区高輪3-13-1 高輪コート5F URL:  )
■問い合わせ先:医療法人社団レディースクリニック京野
 京野アートクリニック高輪(担当: 越智?及川?尾山?佐藤)
 TEL:03-/FAX: 03-(代表)
 E-mail:  /URL:  
市民公開講座「ワールドキャンサーデー つながる力、つなげる想い」
&ライトアップイベント「LIGHT UP THE WORLD」
 国際対がん連合(略称UICC)日本委員会では、2月4日の“ワールドキャンサーデー”にちなみ、市民公開講座とライトアップイベントを開催します。
 「今年は、UICC日本委員会から、日本ががんに立ち向かう決意を初めて世界に発信する年となります。世界に冠する長寿国であるがゆえに、世界に先駆ける形で多くのがん罹患者を抱えることになった日本が、がん治療?予防の専門家、がんサバイバー、がんサバイバーを支える方々を集め、これからどのようにしてがんと向き合っていくかを語り合い発信します」(主催者)
<開催概要>
◎市民公開講座『ワールドキャンサーデー つながる力、つなげる想い』
■開催日時:2月4日(日)13時30分?17時15分 (開場:13時)
■会  場:浜離宮朝日ホール?小ホール(東京都中央区築地)
■プログラム
<第1部『がんは予防できる We can prevent cancer』座長:中釜斉(国立がん研究センター理事長)/登壇者:林和彦(東京女子医科大学がんセンター長)海老名香葉子(エッセイスト)ほか
<第2部『全てのがん患者に優れた医療を! We can improve access to cancer care』座長:門田守人(日本医学会会長/堺市立病院機構理事長)/登壇者:佐々木昌弘(厚生労働省 がん?疾病対策課長)河村裕美(認定NPO法人オレンジティ理事長)ほか
<第3部『一緒に行動しよう We can inspire action, take action』座長:野田哲生(UICC日本委員会委員長/がん研究会がん研究所所長)/登壇者:服部幸應(服部学園理事長)生稲晃子(女優)武見敬三(参議院議員)ほか
■募集人数:250名(申し込み先着順)
■参加費:無料
■申込み:UICC日本委員会サイト(  )から。
■詳 細:サイト(  )で
◎ライトアップイベント「LIGHT UP THE WORLD」
■会 場:カレッタ汐留地下広場(東京都中央区東新橋)
■プログラム:18時より点灯式。ワールドキャンサーデーのオブジェを設置します
※「市民公開講座」はUICC日本委員会主催。「ライトアップイベント」は、UICC日本委員会主催、協力はカレッタ汐留
■ワールドキャンサーデーについて 
■問合せ:UICC日本委員会ワールドキャンサーデーイベント運営担当 朝日エル(中村和代?塩田珠美)電話03-/ E-mail   
がん患者さんのための情報サイト『がん+(プラス)』が
「がん相談窓口」新設
 月600万人が利用する病院検索?医薬品検索?医療情報サイト群と医療者向けサービスを運営する株式会社 QLife(キューライフ/本社:東京都港区)提供する、がん患者さんの情報サイト『がん+(プラス)』が、がん患者さんと家族のためのがん相談窓口を新設しました。
 がん治療、療養生活、仕事、お金などといった、さまざまなテーマでの相談を受け付け、治療に関する相談に対しては、専門医に取材し匿名化して記事としてサイト上で回答する予定とのことです。
《掲載内容》
■特集『肝臓がん?肝癌診療ガイドライン2017に基づく最新の肝臓がん治療』を
■特集『大腸がん?ステージ分類、再発、転移、遺伝子による治療選択の見極め』
■【がん+(プラス)について】  
がん+(プラス)は、がんと生きるすべての人の「プラス」になる情報を提供する、がん医療とがん患者さんの距離を縮めるがん医療メディア。
「○○がんと言われ」もっと知りたい患者さんのために、最新のがん治療や治療選択、病院情報まで、がん治療に関するあらゆる情報を紹介する。
掲載コンテンツは、肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん、肝臓がんなど、がん種別にニュースや最新のトピックスを取り上げるほか、定期的に1つのがん種に絞り、最前線に立つドクターや患者会などを独自に取材。がん治療の“いま”を伝えていくものです。
世界で初めて承認されたCDK4/6阻害剤で日本の乳がん治療が新たな幕開け
ファイザー社、新規の乳がん治療薬『イブランスカプセル25mg/125mg』発売
 ファイザー社は、先ごろ「手術不能または再発乳がん」の効能?効果で、抗悪性腫瘍(CDK4/6阻害剤)『イブランスカプセル25mg/125mg』(一般名:パルボシクリブ)を先ごろ発売しました。詳細は以下のURLを参照してください。
国立大学法人神戸大学が1月21日、市民公開講座『これからの治療?ケアに関する話し合い?アドバンス?プログラム?ケア「もしもの時」のためのどんな準備が必要か』
 国立大学法人神戸大学主催の市民公開講座が1月21日、『これからの治療?ケアに関する話し合い?アドバンス?プログラム?ケア「もしもの時」のためのどんな準備が必要か』をテーマに、都内千代田区のイイノホールで行われます。
 「人生の最終段階において、自分自身が望む医療を受けるためには、これから受ける治療やケアについて、自分の信頼できる人や医療従事者と詳しく話し合っておくこと(アドバンス?ケア?プランニング)が重要だといわれています。本市民公開講座を通して、皆様が、人生の最終段階における医療に関する治療やケアについて考える機会としていただけますと幸いです」(主催者)
 講座は、第29回厚生労働省委託事業?人生の最終段階における医療体制事整備業として開催されるものです。
 参加費無料、定員300名。プログラムと申し込みは以下のURLから。 
■開催日時:1月21日(日)13時30分?16時15分(13時開場)
■会  場:イイノホール(東京 霞が関 住所:千代田区内幸町2-1-1)
■定  員:300名
■参 加 費:無料
■主  催:国立大学法人神戸大学
■後  援:公益社団法人日本医師会/公益社団法人日本看護協会/特定非営利活動法人日本緩和医療学会/公益財団法人日本ホスピス?緩和ケア研究振興財団
■プログラム?申込み: 
■照会先:事務局(オスカー?ジャパン株式会社内/TEL:3平日10時?12時、13時?16時)/E-mail:  
NPO健康医療開発機構が2月14日、『あなたの知らない死後の世界?DNA鑑定を中心とした法医学の話』テーマに第42回健康医療ネットワークセミナー
 NPO健康医療開発機構が2月14日、『あなたの知らない死後の世界?DNA鑑定を中心とした法医学の話』テーマに第42回健康医療ネットワークセミナーを開催します。講師は、橋谷田真樹准教授(関西医科大学医学部法医学講座)。詳細は以下のURL参照。
■開催日時:2月14日(水)18時30分?20時
■会  場:東京大学医科学研究所講堂 
■テーマ:『あなたの知らない死後の世界?DNA鑑定を中心とした法医学の話』谷田真樹(関西医科大学医学部法医学講座准教授)
■講演タイトル:『あなたの知らない死後の世界?DNA鑑定を中心とした法医学の話』
■講演概要 
 最近,法医学関連のドラマや読み物が増えてきたように感じます.これらの中で法医学者は事件を解決するために解剖を行い,犯人を捕まえに出かけます.DNA鑑定や薬毒物検査もすぐに結果が得られたりして,放送時間やページ数の都合なのでしょうが実際とはちょっとかけ離れているようです.
 法医学はあくまでも「医学」の一分野であり,一般の人々が日常生活の中でたまたま遭遇する,しかも医学上の判断が必要な法律上の案件に関し,適切なアドバイスを行い,またそれに関連した研究を行うところです.
 そして法医学は大きく分けて次の4つの分野に分かれます.遺体を解剖して死因究明や損傷解析を行う法(医)病理学,生体試料からアルコール等を含む薬毒物の分析を行う法(医)中毒学,遺体の画像診断(autopsy imaging, Ai)を行う法医放射線学,そして演者が専門とする個人識別のための法(医)遺伝学です.
 講演では,遺体はなぜ解剖に回り,どのような流れで進められるのか?法医学の現状はどうなっているのか?法医学的な分析や鑑定はどのように行われているのか?などを,事例を交えながら紹介します.
■講師プロフィール
 昭和40年(1965)生まれ、福島県いわき市出身。平成5年(1993)3月、山形大学工学部高分子化学科卒、平成5年(1993)4月に東北大学医学部法医学教室文部技官、平成17年(2005)3月に博士(医学)取得(東北大学)。
 平成25年(2013)11月 東北大学大学院医学系研究科助教、平成26年(2014)1月に関西医科大学法医学講座講師、平成27年(2015)10月に関西医科大学法医学講座准教授。
■会  費:1000円(NPO健康医療開発機構会員、学生無料)
■定  員:120名(定員になり次第申込を締め切り。定員に達した場合は事務局より連絡)
■詳細URL:  
■参加申し込み方法:   から
『週刊がん もっといい日』編集部からのお知らせ!
『週刊がん もっといい日』のがん関連リンクの所載の『難病からの生還』のURLが変更されました。新しいタイトルとURLは次の通りです。
 末期がん克服への架け橋?難病?末期がんからの生還?(  )
エーザイとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.
『レンビマ」(レンバチニブ)と『キイトルーダ』(ペムブロリズマブ)併用療法で
進行性または転移性腎細胞がんの適応で米国FDAよりブレイクスルーセラピーの指定受領
「この効き目を届けたい!」 イチロー選手が頑張る人へエール
ユンケル黄帝液プレミアム新TVCM『ビルボード』篇放映開始!
 佐藤製薬は、滋養強壮剤『ユンケル黄帝液プレミアム』の新TVCM『ビルボード』篇を12 月29 日から全国一斉に放映しています。
 TBS 系「NEWS23」<月?木 23:00?23:55(金のみ23:30?)>、TBS 系「N スタ」<15:49?19:00>の提供番組やそのほか全国スポットでも放映中です。新TVCM
は、ユンケル公式ブランドサイト(  )でも公開しています。
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がんに挑む企業インタビュー
「毛髪の悩みが解消したときに喜びに変わります!」
抗がん剤の副作用による脱毛を防ぐ頭皮冷却装置の年内上市を目指す
毛髪クリニック リーブ21代表取締役社長の岡村勝正さん
 毛髪クリニック リーブ21
 代表取締役社長の岡村勝正さん
■2009年に紹介、8年後の今
 頭皮冷却装置の進捗状況
 「がん患者さんが抱える脱毛による精神的ダメージや心の痛みを少しでも和らげていただければ???」―?週刊がん もっといい日?編集部では、2009年に『がんに挑む企業』欄で、抗がん剤の副作用による脱毛を防ぐ医療機器への取り組みを公表した毛髪クリニックリーブ21代表取締役社長の岡村勝正さんを紹介しました。
  岡村さんは、医療機器との出会い、これからの方向など詳細に答えていただきました、(インタビュー内容は参照)
  医療機器は、抗がん剤を投与する際に、冷却液が循環する特殊なキャップをかぶって頭皮を冷却し、毛細血管を収縮させることで、頭皮部への不必要な循環を防ぎ脱毛を低減させることを目的とした頭皮冷却装置です。
  昨日(3月9日)、上京された岡村さんにお会いして、抗がん剤の副作用による脱毛を防ぐ頭皮冷却装置のその後の進捗状況をお聞きしました。
  岡村さんによれば、医療機器は2016年12月、正式に治験検証が終了。今年2月、治験検証の担当病院からの指摘事項の機能改善をとり入れた内容で生産を開始。3月に2台の試作機の生産を完了するとともに、PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の品目申請に必要な書類を整備し申請予定。年内上市を目指しています。
■発毛から”髪元気”へのキーワードは
 「抜け毛防止」「育毛健毛」「薄毛改善」「発毛促進」
  抗がん剤の副作用による脱毛に悩む患者さんの悩み解消をサポートしてきた毛髪クリニック
リーブ21。1976年に創業し、1991年にはトータルケアシステムによる独自の発毛システムを考案し、全国80の店舗を通じ30万人を越す毛髪に悩む人たちの相談にのり今年で41年目の今、岡村さんは、頭皮冷却装置のデビューに全力を注ぐ一方、従来から続けてきた発毛専門から、「抜け毛防止」「育毛健毛」「薄毛改善」「発毛促進」の4つをキーワードとした“髪元気”へ、髪の毛が気になる多くの人々の悩みに応えています。
  「毛髪の悩み解消は世界共通。髪の毛は1日に平均40本程度抜けますが、それが50?60本と増え、100本になると問題ありです。しかし多くの人は、そうした現象が起きているにもかかわらず何もしません。そのうちに地肌が見えるようになって、やっと行動に移すようになる。ですから早めの対策が必要なのです。
  人間の体から髪の毛が抜けるのは精神的にマイナスの状態ですが、発毛し髪が復元すれば±ゼロではなく、プラスの喜びに変わります」
■予防の基本は食事にあり
  発毛一筋で41年間、多くの人々の悩みを解消してきた毛髪クリニックリーブ21の陣頭指揮に立つ岡村さんは、「予防の基本は食事にある」と語ります。
  2009年に『週刊がん もっといい日』編集部のインタビューの最後で答えたのも日常の食生活の重要性でした。
  「がんにかからないようにするには、血をきれいにすることだと思います。そのためには、バランスのとれた食生活の実践が重要なカギを握っています。また食べ過ぎないことが、真の健康体をつくることになります。当然、これらの実践が、がん予防対策になります。発毛も同じことで、血がきれいだと毛髪に栄養が行き届きます。だから食事、適度な運動、ストレス解消、笑いを取り入れることなど、これは決して難しいことではありません」
  予防時代の今、食事と運動、ストレス解消とともに、もし、がんにかかり抗がん剤の服用が必要になった場合、副作用による脱毛を防ぐ医療機器(頭皮冷却装置)の開発は、多くのがん患者さんにとって朗報となるに違いありません。一日も早い登場に期待したいものです。
クローズ?アップ
素食が土壌にある長寿村で
健康寿命延伸の核心に触れる
『月刊H&Bリテイル』佐藤健太記者
 私が、“長寿の故郷”の存在を知ったのは、入社3カ月前だった。新入社員研修で、記者歴48年のベテラン記者が、「棡原は会社の原点”だ。足掛け20年も取材してきた」と話してくださったものの、その時、初めて「棡原」という言葉を耳にしたため、まったくピンとこなかったのが正直なところだ。研修では  「棡原は、かつて“健康長寿の村”として知られていた」「毎年、新人は研修の一環で取材しに行く」と聞いた。とくに前者は「健康寿命延伸」という国が直面している大きな課題であり、私たち記者も大変興味深いキーワードである。こうしたことから、私は棡原探訪への思いを募らせ、そして日本有数の“長寿の故郷”を訪ね、「素食が土壌にある長寿村で健康寿命延伸の核心に触れることができた。
    (取材?文◎ヘルスビジネスマガジン社『月刊H&Bリテイル』佐藤健太記者)
■プロローグ
  この研修を受けたのが9月下旬であったから、それから約2カ月後の11月29日、ようやく棡原の地を踏みしめていた。
  この日、棡原に行った取材班は、記者歴48年の『週刊がん もっといい日』の山本武道編集長と私(佐藤健太)のほかに『月刊H&Bリテイル』の八島充編集長と編集企画部の菊池篤記者、ヘルスビジネス専門紙『ヘルスライフビジネス』の小田島佳代記者の計5人。私と小田島記者は初めて、八島編集長と菊池君は2回目の訪問だ。
■石碑に刻まれた「身土不二の桃源境」
  通勤時間にいつもと逆の下り電車に揺られているのに違和感を覚えながらも、午前9時に東京?八王子駅前のレンタカー屋に集合した。
  運転手をしてくださったのは八島編集長。車中では、棡原に対する各々が抱く思いを語り合い、同時に、棡原と向かい合うために取材姿勢を整えながらだったため、まるで一瞬で到着したかのような気分だった。
  棡原についての情報を記しておこう。正式な地名は山梨県上野原市棡原。笹尾根の山間に位置する1,000人規模の地区で、住民は急な山の斜面に沿って並び建つ住宅に住む。水田を拓けないほど平らな地面は中学校のグラウンド以外に皆無な地だ。
  上野原市街から山間部に向かって進んで数分後、八島編集長は車を停めた。車窓の外には「長寿村
棡原」と大々的に彫られている石碑が建っており、取材班は降車して石碑に駆け寄った。
  後面には「鶴川の河岸段丘に発達したわが棡原は、山紫水明、耕して山頂に至る。古来村人は健康で人情に篤く、粗衣粗食、耕雲種月の日々を楽しんできた。穀菜食を主とし、肉食を嗜まず、女性は多産且つ母乳豊富、老人は皆天寿を完うし、まさに身土不二の桃源境である」と記してある。
  この石碑は昭和52年(1977年)に建てられた。「穀菜食」「肉食を嗜まず」と、現代的食生活とは相違ある食文化、そして「女性は多産且つ母乳豊富」「老人は皆天寿を完う」とまで書かれ、大きなインパクトを受けた。
  「日本は少子化、健康寿命と平均寿命の差異という問題に直面している」と知る人ならば、これらへの解決策を棡原という地が知っているのではないかと思ってしまうほど、現代日本にとって理想的な環境だと言わざるを得ない。まさに「身土不二の桃源境」であり、これを体現していたのが、かつての棡原なのかとしみじみとしてしまった。
■棡原の長重要人物の故?古守豊甫医師
  次に取材班が向かったのはふるさと長寿館である。長寿食を体験できる食堂や郷土史の展示、地産野菜の即売所を備えた施設であり、1992年(平成4年)に建てられたもの。1996年(平成8年)、天皇皇后両陛下も行幸啓されており、上野原市では非常に有名な施設である。
  地産野菜の即売所では、銀杏や白菜、大根などが都内で購入するよりも3分の1ほどの値段で売られていた。この値ごろ感に衝撃を受けた私は200グラムの銀杏を100円で、小田島記者は丸かぶを43円で購入するなど、有意義なショッピングを楽しみつつ長寿館に入ってみると、棡原地区の人口推移や天皇皇后両陛下の写真などが掲げられていた。
  資料に目を向けていると、棡原を語るに避けては通れない最重要人物は古守豊甫医師。棡原の入り口である石碑の後面にも出ていた名前だった。古守医師については次のように石碑に刻まれている
  昭和四十三年盛夏、東北大学近藤正二名誉教授と、甲府市古守病院長古守豊甫博士父子により、はじめて長寿村としての折紙を付けられた。以来内田厚生大臣の視察、在ブラジル森口教授ら多数の学者の調査研究により、世の脚光を浴びるに至った。
  顧れば昭和十三年春四月、十八才の青年古守氏は、棡原小学校の代用教員として赴任すべく山行三里、途中鴬がしきりに鳴くここ登下沢の地に一憩した。在任一年、東京医専に進学して医師となるや、この山村には何かがあるとの疑問を抱き続けた。
  この直感こそは長寿村発見への啓示であり、以来甲府市における医業の寸暇を割き、情熱を傾けて棡原住民の健康管理と指導に当った。同時に土着の生活の知恵たる風俗、習慣、食生活の研究を行い、名著「長寿村棡原」を世に問うた。昨秋これが武見太郎日本医師会長の認めるところとなり、最高優功賞の栄誉に輝いた。
  古守氏は棡原を「長寿村」として世のなかに発信した人物だ。高齢者たちが健康で矍鑠、認知症や寝たきりの人が殆どいないことを知った古守氏は、長年に渡って全国の地方村落を歩き、健康寿命と食を中心とした生活風土の関係を調査した長寿研究で知られる故?近藤正二医学博士(東北大学名誉教授)と共同研究が行われた。
  この共同研究は1970年代に行われた。高度経済成長期のインフラ整備によって市街との交通も簡便になり、棡原でも食が都会と均質化していった。食生活が豊かになったものの、生活習慣病の罹患者が増加し、親より先に子が亡くなる“逆さ仏”が頻発するようになっていた。古守医師もこれを危惧し開始されたものだ。
■粗食ではなく素食=体の素となる食事
  取材班はさらに、“長寿食の宿”と呼ばれる梅鶯荘に向かった。棡原の郷土料理を食べさせてくれる旅館である。
  棡原の郷土料理は、米や動物性の食材はほぼ使われておらず、麦や雑穀、イモ類を中心に、豊富な山菜、野菜、自家製の麦糀味噌が使われる。
  脂いっぱいの肉を食い、酒を飲んで、ほとんど栄養や健康について考えない私の食生活とかけ離れたものであり、「本当においしいのか」と少し疑問を持っていたのは束の間で、梅鶯荘の食事を一口食べると、箸が止まらないほどおいしかった。
  代表的なメニューは、「せいだのたまじ」だろう。小ぶりなジャガイモを皮ごと茹で、油と味噌、砂糖で甘辛く炒め煮にしたものだ。
  「せいだ」は、この地域でのジャガイモの呼び方で、「たまじ」は特に小粒のものを表しており、棡原にじゃがいも栽培を広めた江戸時代の代官?中井清太夫(なかいせいだゆう)の名前に由来しているという。
  品数が多く、1人前と言いながらも2人前の量ほどあり、食いしん坊である私(体重91キロ)も残してしまい、自宅に持ち帰ってしまったほどだ。私よりも食いしん坊な菊池貴社(体重102キロ)はすべてて平らげ、デザートの酒まんじゅうを頬張っているのだから凄い。 
  梅鶯荘の経営者の話では、棡原の料理は「素食」と言われており「粗食」でなく「素食」だ。つまり粗末な食事ではなく“身体の素となる食事”であり、これが長寿村の土壌になっているのだろう。
■棡原唯一のコンビニで手作り弁当が好評
  ところで、われわれは棡原唯一のコンビニ「セキモト」にも訪問した。有限会社せきもとの関本長男社長?廣美夫人が中心となって店を回転させている。
  同店は中小の食品スーパーがメイン加盟者であるボランタリーチェーン?全日食に加盟しており、加工食品や日用雑貨は全日食に発注し、精肉や生鮮などは市場から仕入れているという。
  この店の面白いところは、弁当の配送ルートが確保できない立地であるために、廣美夫人を中心とした3人で弁当を手作りし、これを販売しているところだ。
  「地区でイベントや集会がある日には1日120食、平均しても1日50食ほど売れる」と廣美夫人は話す。
  弁当の内容は「せいだのたまじ」などの郷土料理を盛り込み、さらにお客からのリクエストや好みに合わせているためリピーターはかなり多い。
  「消防団の集会や地域イベントなどに仕出しており、店まで来られない高齢者などからの支持を得ている」(廣美夫人)。
  廣美夫人は努力家である。高齢者が主な客層であるため体に優しくも食べやすいメニューをノートにまとめ、「もっと喜んでいただけるように」と試行錯誤を繰り返しているほどだ。これは究極の地域密着である。
  だが、関本社長は「採算的に見るとギリギリのところ。近隣のゴルフ場でも物販を実施しており、これがなければ立ち行かない」と苦しい現状に直面していることを打ち明けてくれた。
  廣美夫人も「歳を重ねるごとに店を動かしていくのが大変になっている実感がある。『いつ閉めようか』と考えるときもある」と笑顔で話した。
  確かに人口1,000人ほどの地域では経営は難しい。コンビニの商圏人口は通常「半径500メートル3,000人」といわれており、しかも棡原の場合は、半径数キロのうち1,000人であるから、集客も一筋縄ではいかない。
  関本社長?夫人ともに「地域の方々から『助かったよ!』と声をかけられたら嬉しくなり、それが原動力と使命感になっている」と、今後もコンビニの経営を継続していく姿勢だ。
■自治体と民間企業はセキモトを支援すべき
  こうした現状を自治体は知るべきだ。地元への貢献度を認め、そして資金的にも人的にも援助すべきだろう。
  なぜならセキモトは、住民視点からすると“棡原のインフラ”と表しても過言ではない存在であり、それは「店の電気が付いているだけで安心する。お店が休みの日は寂しい」と話す棡原住民が少なくない。
  棡原の高齢者率も年々高まっている背景から、「近いところで気軽に買い物ができる場所」の存在意義が、ますます強くなっていく方向にあるからだ。だからこそ上野原市は、このような棡原の現状と、それを支える小売店の経営状況にも目を向けるべきである。
  上野原市街には、ウエルシア薬局やマツモトキヨシなど大手チェーンドラッグが出店している。大学に寄付講座の開設や地域イベントに協賛するなど積極的にCRS活動に取り組んでいるが、私はこうした大々的な動きだけでなく、経営が難しいながらも限界集落を支えている個人店とタッグを組み、資金的にも人的にもフォローして、その地域を支えていく動きがあってもいいと思う。
  ドラッグストアは、健康寿命延伸やセルフメディケーション推進の旗振り役であり、そうした特徴から高齢地域や過疎地域を支えることができる商材を持っている。これを十分に生かすべきではないだろうか。
  ドラッグストア業界は、“斜陽”と呼ばれる小売業のなかで、数少ない勝ち組の業界でもある。その利益を活用して地域のために健康のために意義深い取り組みができるのではないか。
  利益だけではない部分で、さまざまな地域と手を取り合える企業になることが、他社との差別化にもなるだろうし、そうした決断ができる業界であってほしいと強く思った。
■エピローグ
  気付いたら日が暮れていた。棡原に住む高齢者が「ここは日が暮れるのは早い」と言っていたように、まだ16時過ぎなのだが辺りは暗くなっていた。短時間であったものの、棡原で得た経験と知識は非常に濃いものであり、ヘルスビジネスマガジン社の原点である”ことと改めて納得した。
  帰りの車中では「今後の記者活動にどう生かしていくか」を取材班で議論し合った。異口同音だったのは「百聞は一見に如かず」という言葉であり、それが「取材姿勢」という記者としての根本的な部分に直結すること。
  そして健康長寿は、日頃からバランスの取れた食事を摂ることで病気を予防?治療しようとする「医食同源」が不可欠であるという確信を、棡原から教えてもらった。その満足感を抱きながら東京へ帰っていった。
クローズ?アップ
健康長寿の原点「棡原」
健康長寿の郷で「長寿食」を知る
食物繊維、発酵食品…伝統料理に長生きのヒント
  山梨県上野原市の棡原地区は、かつて「健康長寿の郷」として知られていた。戦後、日本が「豊か」になった時代、食事など生活習慣の変化が健康寿命を縮めることにつながっているとの危機感から、伝統的な食生活を見直そうという動きがこの地で起こった。棡原では健康意識が今も根強く、「長寿食」と呼ばれる昔ながらの食事を再現し、それを提供する民宿や施設が観光客に人気を得ている。そこで23歳の独身記者が現地を訪れ、実際に、「長寿食」を体験した「長寿の郷」訪問レポートを紹介する。レポーターは、ドラッグストア専門紙『月刊H&Bリテイル』の菊池 篤記者。
■再発見された伝統食
  山梨県上野原市棡原。笹尾根の山間に位置する、人口1,000人程度の小さな集落だ。
  緑豊かで風光明媚な場所ながら、山の斜面に沿って家並みが広がっているため、近世以来、水田を拓くことができなかったほど坂の多い地区だ。
 結果として、この地域の古くからの郷土料理には米や動物性の食材はほぼ使われていない。代わりに麦や雑穀、イモ類を中心に、豊富な山菜、野菜、自家製の麦糀味噌がたっぷりと使われた独特のものだ。
  そんな素朴な伝統食が、近年になって「長寿食」として注目を集めた。
  上野原の市街地から伸びる一本道を進んでいくと、集落の入り口に立派な石碑が立っている。刻まれた碑銘は「長寿村 棡原」。
  棡原を「見出した」のは、甲府市の医師だった故?古守豊甫氏だ。
  棡原の高齢者たちが、誰しも健康でかくしゃくとしていて、認知症や寝たきりの人が殆どいないことを知った古守氏は、東北大学名誉教授だった故?近藤正二医学博士と共同研究を始める。
  近藤博士は、長年に渡って全国の地方村落を歩き、健康寿命と食を中心とした生活風土の関係を調査した「長寿研究」で知られる人物である。
  近藤博士は棡原を、健康な高齢者が多く平均寿命の長い「長寿村」と認め、その要因を食生活に求めた。
  植物性食品と発酵食品が中心で、ビタミンとミネラル、そして食物繊維がたっぷり含まれた郷土料理が、地域住民の健康長寿を支えていると認定したのだ。
  棡原の調査は1970年代に行われたが、当時は高度経済成長期のインフラ整備によって市街との交通も簡便になり、同地でも食の都会との均質化が進んでいた。食生活が「豊か」になった反面、生活習慣病の罹患者が増加し、親より先に子が亡くなる「逆さ仏」が頻発するようになっていた。
 「長寿村」研究をきっかけに、地元で長く愛され、健康の源になっていた郷土料理=「長寿食」を保存し見直そうという動きが巻き起こった。
  当時は「その土地で伝統的につくられている食材?料理に、その土地で健康的に生きる答えがある」という「身土不二」の考え方が全国的に広まった頃である。
  1992年には、「長寿食」を提供する食堂や郷土史の展示、地産野菜の即売所などを備えた「ふるさと長寿館」が建てられた。同館には平成8年、天皇皇后両陛下も行幸啓されている。
■「長寿食」に食生活の原点を見た
  この7月、「長寿食」を体験すべく棡原を訪れた。お邪魔したのは、旅館「梅鶯荘」。かつて漫画『美味しんぼ』でも取り上げられたことのある、「長寿食」の民宿だ。
  この日の献立で特に特色あるものを、いくつか取り上げる。
  まずは「せいだのたまじ」と呼ばれる郷土料理。小ぶりなジャガイモを皮ごと茹で、油と味噌、砂糖で甘辛く炒め煮にしたものだ。ホクホクのジャガイモに香ばしい焦げた味噌の香りがたまらない。
「せいだ」は、この地域でのジャガイモの呼び方で、「たまじ」は特に小粒のものを表すという。
  自家製の刺身こんにゃくは、「なるほどイモから作られた食べ物だ」と感じられる、もっちりした歯ごたえとトロリとした舌触りが、市販のものとは全く違い新鮮だ。
  地元で採れたフキと自家製の豆腐を使った白和えも、一つひとつの素材が立っていて滋味豊かだ。
  しし唐、ピーマン、茄子、舞茸、ミニトマトと地産の野菜を使った天ぷらは、揚げたてを塩で頂く。珍しいのは「干し柿の天ぷら」だ。油と熱が加わることで、干し柿の甘さが南国の屋台菓子のような味わい(サーターアンダーギーに近いかもしれない)に変わるのが面白い。
               民宿で体験できる長寿食
  写真の通り、品数が多く、1人前と言いながらも優に2、3人分はあったという印象だ。食後には、名産の酒まんじゅうもふるまわれる。もちもちとした皮にかぶりつくと、酒粕の甘い香りが口いっぱいに広がる、ほっとする味わいだ。
  この地域には、客人をたくさんの食べ物でもてなす文化があるという。それに、「生涯現役」で山間の厳しい土地柄で畑仕事に励んでいた、かつての棡原の人々は、年を取ってもこれくらいの量をぺろり?といけるパワフルさがあったに違いないと、膨れた腹をなでながら感じた。
  棡原の料理は、「素食」と称される。「粗食」でなく「素食」、文字通り、身体のもととなる食事という意味だ。ある地域の人たちに昔から親しまれてきた料理や食材が、健康増進に効果があると科学的に「再発見」される例は、棡原に限らず枚挙にいとまがない。
 「温故知新」の言葉通り、目新しいものばかりでなく、古くから伝わるものにも目を向け、知ろうとする姿勢が大切だと改めて感じた。 
【問い合わせ先】
山梨県上野原市棡原13228
長寿食再現の宿 梅鶯荘
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ここにこの人
雑穀?発酵食品などの食生活で便秘知らずの棡原
機能性素材「キヌア」で地方創生?健康寄与を目指す
「長寿の郷の今」を語る江口英雄上野原市長
「健康長寿地区」と知られる棡原を有する山梨県上野原市。現在も古き良き文化を残しつつも、交通網が整備され市民のライフスタイルも変わってきた。引き続き「健康長寿」を市の看板として掲げるために、さまざまな政策にも取り組む上野原市は今、機能性素材「キヌア」で地方創生?健康寄与を目指している。江口英雄市長に聞いた。(ヘルスライフビジネス紙:杉本恵子記者)
プロフィール
1943年生まれ。上野原町立病院、大月市立中央病院、富士吉田市立病院の院長を経て、2009年3月、上野原市長に。座右の銘は「一以貫之」
”長寿の郷”棡原を語る江口英雄市長
 Q:上野原市は昔と比べて、どう変わりましたか?
 社会インフラが整備されてきたことがターニングポイントでした。
 それまでは野を越え山越え、長寿村と知られる棡原に行くまでも1日かかかり、。食物もほとんど自作の土地のもの。たまに引き売りで来た干物などを食べる程度でした。 
 お米もあまり取れず、ヒエやアワなどの雑穀と、傾斜地を活かして作るジャガイモなどの野菜、こんにゃく、発酵食品などが主な食物でした。
 質素といえる食生活で、裕福なことはなく、労働する場も傾斜がきつい畑であり、大変な毎日でしたが、いわゆる健康食を中心とした、このような生活様式が長寿となる要因となったと思われます。
 戦後、道ができ、車が走るようになると、東京も棡原も同じ食生活になりました。
 少し足を延ばし、八王子まで行けばステーキが食べられるのです。お酒も自作の焼酎や濁酒から冷たいビールやサワーに変わりました。
 美味しさゆえに新しい食品に流れ、高血圧や脂肪肝、高コレステロールなどの問題が増えてきました。
 その結果、山梨県も上野原市も、平均寿命が全国平均を下回っています。
 今更、昔の食生活を取り戻すことは難しいので、今の食べ物を食べていきながら、塩分摂取などしっかりとコントロールしていく必要があります。
 食生活改善運動グループが活動しているので、市としても活動に協力しながら、塩分や糖分、お酒などを減らし、バランスの良い食事をするよう啓蒙しています。
 20?30年後の効果を見込んで活動をしていくことが大事だと感じます。
 Q:健康なお年寄りが多いので、健康寿命延伸のモデルでもあると思いますが??
 仰る通り、健康寿命が長かったため、長寿村として天皇皇后陛下が視察に来てくださったほどです。これからも伸ばしていけたらと思います。
 Q:市として健康に寄与する活動は?
 地方創成の一環でもありますが、スーパーフードとして知られるキヌアの栽培に取り組んでいます。
        
           上野原で栽培されている『キヌア』
           (提供:上野原市役所)
 キヌアは寒いところでも暑いところでも育ち、高カロリー、高たんぱく、高栄養であるため将来の食糧危機をも救うと言われています。
 上野原市と言えばキヌアと思っていただけるように頑張っていますが、問題が二つあります。
 一つは、今は小さな実のものしかなく、使用用途が限られてしまうこと。もう一つは連作が難しい作物だということです。
 いずれも品種改良や有機肥料を使用することで、対応していこうと考えていますが、試験場や大学と連携しながら研究している課題とも言えます。
 キヌアの売り先も考えなければなりません。一次産業で終わる林業?農業を六次産業にし、日本全国、いずれは世界に発信していきたいですね。
 とはいうものの、上野原市は80?85%が山間地で、すぐにキヌアを使って製品を発信できるような企業を呼ぶには土地が足らない問題もあります。土地については県や地元農協と協議して解決していく予定です。
 2000種類ほどあるキヌアのなかから、上野原市に合うキヌアの選別、連作の問題などを解決し、地元の産業として成立した際に、民間や企業と共に情報を発信していけたらと思います。
 Q:このアイデアは市長が???
 市民のアイデアです。市の方でも良いアイデアだと賛同し、ペルーへ視察に行ったり、学?民?官の協議作業として行っています。
 Q:市役所に入った際、長寿健康課がありましたが???。
 もともとある長寿のイメージとさらに健康でありたいという願いから「長寿健康」と名付けました。
 この課では乳幼児から高齢者までの検診事業や生活習慣、食生活改善を推進する保険担当を始め、地域医療、介護保険サービス、地域包括ケアなど市民の健康増進に関する業務を取り扱っています。
 反対の声もありましたが、先駆的に今は中学3年生までの医療費、重度心身障がい児の窓口?医療費無料化など行い、乳幼児から高齢者まで、すべての人にすべての福祉?保険サービスを提供できることを目指しています。そのための総合施設も建設を進めています。
 市民の健康づくりは市の重要政策として認識し、尽力して取り組んでいます。
 Q:現在、高齢者をサポートする事業はありますか?
 デマンドタクシーの実証実験を行っています。上野原は道が狭いです。バスは国道のような大きな道路しか走れないのに、みなさんが暮らすのはその奥地になります。
 デマンドタクシーの停留所を700個ほどもうけ、山の中やバスが通らない細い道が続くところに暮らす人でも、気軽に買い物や通院ができる体制を整えました。
 近場だと300円、1キロ以上離れた遠い距離の利用ても500円と安価、登録制で30分?1時間前に予約すれば使用できる手軽さも好評で、引きこもりがちな高齢者の方々が出かけるきっかけにもなっていると思います。
 しかし、デマンドタクシーの導入で成功した市町村もあれば、失敗してしまった市町村もあります。上野原市はまだ研究段階ですので、今進めている上野原駅南口開発に合わせ、上野原市に合った政策を投じていきたいと思います。
 乳幼児から高齢者までが健康で笑顔でいられて、医療費が最低でありながら、健康寿命が長い街にしていきたいと思います。
クローズ?アップ
絵画?写真コンテスト『リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる、わたしの物語』の受賞者のエッセイ
高橋憲悦(たかはし けんえつ)さん<青森県青森市>
【優秀賞】絵画部門(作品名:『雪片付け』
高橋憲悦(たかはし けんえつ)さんの受賞作品:『雪片付け』
 前夜から降り続いた雪が、今朝には大雪となっていました。でも、いつものことなので驚きはありません。
 朝方、青空が広がり陽もさして来ました。町内の人たちが一斉に外に出て、雪片付けが始まりました。「おはようございます。また降ったね。」とか「大変だね。参ったよ。」とか「あ?腰が痛いよ。」とか口々に挨拶やら愚痴やら。でも、みんな笑顔なんです。賑やかに言葉を交わしながら、まるで雪片付けを楽しんでいるようです。
 私も防寒衣を着こんで、玄関前や道路の雪をスノーダンプに山のように盛って近くの用水路に捨てに、何往復もしました。終わった時は汗びっしょりでした。道路や玄関前の雪だけでなく、屋根の雪までとなるとそれは大変な重労働です。でもみんなの顔は笑顔です。きっと、すぐそこに、この雪の下に春が来ているから、豪雪はあっても必ず春が来るから頑張れるんだと思いました。
 私は今肝臓がんの治療を受けています。
 3年前に肝細胞がんの手術を受け、翌年、翌々年と再発を繰り返し、今また再々々発が見つかり近く入院手術の予定です。でもそのことは気になりません。この雪のように、降ったら(再発したら)片付け(始末し)、降ったら片付けていく。その間には春も夏も秋も、美しい季節も楽しめるし、その時々の美しい風景を絵に描くことの楽しみが私にあるからです。
 そしてこれも、私とがんと共に「生きる道」なんだなと思います。
クローズ?アップ
絵画?写真コンテスト『リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる、わたしの物語』の受賞者のエッセイ
関 一(せき はじめ)さん(神奈川県横浜市/62歳)
《優秀賞》写真部門(作品名:『冬の幻想?樹氷の森』)
関 一(せき はじめ)さんの作品『冬の幻想?樹氷の森』
 会社の写真部に入部して30年、その間10歳年上の写真部の先生(講師)に一貫して教わってきました。
 年数回撮影会を行い、その後勉強会と称しその時の作品を先生に講評して頂きます。
 2013年5月の勉強会が終わって間もない頃、私は会社の定期健康診断で「胃大弯部病変疑い要精密検査」と言われ、大学病院で内視鏡検査を受けました。
 結果は筋層まで達する進行胃癌。60歳で他界した父が食道癌の手術をしたのもその病院で、59歳で患った自分に宿命的なものを感じ、その病院に手術をお願いしました。
 7月26日に6時間の腹腔鏡手術で、幽門部を含む胃の2/3を摘出し77キロあった体重が63キロに減少。術後半月程で職場復帰し、ダンピング症状と貧血に苦しみながらも徐々に体力が回復してきた頃、私が行きたがっていた冬の上高地撮影旅行を2015年28月に実施すると写真部から連絡がありました。
 冬の上高地撮影はスノーシューを装着して釜トンネルを通り大正池まで雪上を数キロ歩くハードなもので、体力面で不安でしたが筋トレとジョギングを開始し撮影会に備えました。
 いよいよ当日、壮健な先生に気遣って頂きながら覚束ない足取りで厳冬の大正池に辿り着いた時の感動は忘れられません。
 池の岸辺から5mほど下にある、池の淵に集まった氷塊を撮影したのが、この写真です。
 池の底、氷塊、岸部の雪の三層を写した写真ですが、先生から「まるで星空の下に広がるキラキラした樹氷の森のような、幻想的な写真だね」と絶賛して頂きました。
 それから3か月後、先生が急に入院され、検査の結果、胃癌と告知され、すぐに全摘出の手術を受け回復を見ないまま10月に他界されました。
 2月に上高地で私を励ましてくれた先生が?10月に胃癌で他界された…。あっという間の出来事に言葉もありませんでした。
 この写真は、先生からの贈り物のようでもあります。これからも先生との思い出を胸に、写真を撮り続けたいと思います。
クローズ?アップ
絵画?写真コンテスト『リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる、わたしの物語』の受賞者のエッセイ
豊田明日香さん(東京都国分寺市/30歳)
《一般投票賞》絵画部門(作品名:『生を願う』)
豊田明日香さんの作品『生を願う』
 私の母が乳癌を患ったのは大学生の時のことでした。母がある日ふと鏡をみて、胸にへこみがあることに気づいたのです。父と小学生だった弟、私たち家族にとっては衝撃的なことでした。
 手術をした日は暑い夏の日でした。私は待合室が耐えきれなくて病院の庭に出ました。そして大きな一本の木に安堵感を覚えて、祈る心でしばらくの間、幹に手を当てていました。“母が必ず生きることができますように”と切実に願いました。
 また、こういう思いの人がこの場所にはたくさんいるのだと思うと、その人たちの家族も必ず助かるようにと願わずにはいられませんでした。切実だったので夏の熱気が暑いのか私の心が熱かったのかよく分からないくらいでした。
 手術は成功しましたが、その後は治療の苦しみや鬱病を患うなど二次的な苦痛がありました。鬱状態の母親に”死にたい“と言われたときには本当にどうしていいかわからなかったですが、手術の日の病院の庭で願ったように、必ず母には生きて欲しいし、母にも”生きたい“という心を持って欲しいと思いました。後になって振り返って、あの時頑張って良かった、生きていることが幸せ、と、そう実感して欲しいと思いました。母が入院生活をしているとき、私が今までで一番母に良くしてあげることができたときでした。
 癌という病を通して、私は母とまた多くの人の命について考えることができました。当たり前にあるものが無くなりそうになって、その大切さに気づくのではなく、いつでも一人一人の人を大事に尊く思う心を持ちたいです。
 人に対して、話す事、行うこと、些細なことを適当にせず愛情深く生きたいと思いました。その思いを込めて、切実に生を願ったその日を忘れないために絵を描きました。
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「リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる わたしの物語」
写真部門で最優秀賞と一般投票賞のダブル受賞(作品名:『夜明けの賛美』)した児玉秀俊さん(長野県松本市/54歳)のエッセイ
       児玉秀俊さんの作品『夜明けの賛美』
  作品は、長野県諏訪湖畔から夜明け前の風景である。十六夜(いざよい)の月とそれに負けんばかりの星空が印象的でした。そして夜明けを迎え、正面の富士山のシルエットを美しく捉えることができました。
  私は、約3年前に膵臓癌と診断されました。体の異変もなかったので、突然言われたその言葉に、耳を疑うほどでした。あまりにも突然の言葉で気持ちが真っ暗になりました。
  幸いなことに早期に発見できたので、手術ができましたが、進行性でしかない膵臓癌であるため、再発、転移もとても心配でした。そんな闇夜の世界でありましたが、自分の人生を振り返る時間ができ、自分をリセットできチャンスをもらった!と考えるようになりました。 
  闇夜の中でも周りをよく見ると美しく救われるものがたくさんあるのだ!
  不安があるが、前向きにしていると必ずいいことがある!
  そんな気持ちの転換があったので、闇から明への瞬間という写真を撮って見たいと思うようになりました。
  天気の良い夜、雲や霧も無い日を狙いました。上手くすると富士山も期待できるかもと思いながらカメラのセッティングをしました。夜明け近くになってくると雲が発生することも多々あるため、ドキドキしながらの撮影でした。夜明け前、薄っすら明るくなりかけてくると富士山のシルエットが見えてきました!茜色にも染まり始め、とても幻想的で楽しい時を捉えることができました。
  闇夜の世界から明の世界へ!移り変わる時こそ、賛美される時である。
受賞の喜びを語る児玉さん
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リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる、わたしの物語』
受賞者インタビュー
「何かに集中し目的を持つことは、すごく大事ですね」
肺腺がんVI期の藤井高志さん(63歳?北海道北広島市)
藤井高志さん
■かかりつけ医から勧められて応募
 応募するきっかけは?
 「昨年のことでした。私が入院している札幌の病院に『リリー?オンコロジー?オン?キャンバス』の昨年の作品が飾ってありました。
 たまたま私を担当されている先生が、もともと私自身が個展を開くときに、先生にハガキを出し紹介をしていたこともあって、先生から、こういうものがあるから、藤井さんも応募してみませんか?と誘われ応募しました」
 絵画に描かれている羊は、生きるために何をしようとか、いろいろと考えている様子が滲み出ていて、羊が、今にも動きだしてわれわれに話しかけているように、作品からは感じられました。
 「ありがとうございます。羊を見ていて、ふと書こうと思いました。何か魅かれるものがあったからです。もともと哀愁のこもったような絵画が好きなものですから。羊を描いていて、何となく病気になってからの自分を羊に重ねていたように思います。
 羊がいた場所は、初めてでした。病気が見つかる前に行った道内中札内にあるホテルに宿泊した際に、私の目に留まったのが数匹の羊でした。
 がんがみつかってから、そうだ、あの時の羊を描いてみようと思い、さっそく描いたのがこの作品です。昨年度も、以前に応募された方がいらっしゃったそうですから、次回も挑戦してみたいと思っています。とても楽しみにしています」
■がんは2013年1月に見つかった
 がんは、いつごろ見つかったのですか?
 「2013年1月、血痰が出たので、すぐにかかりつけ医に行き胸のレントゲンをとったところ、おそらく肺がんだろうということで、札幌の病院を紹介されました。
 その日のうちに病院に行ったところ、いろいろと調べた結果、肺腺がんの第IV期にあることを告げられました」
 ご家族には、がんと診断されたことを伝えられたのですか?
 「がんと診断されたときには私一人でしたが、伝えるときは家内だけでなく家族全員に知らせようと思いました。幸い、近くに実家(兄夫婦)がありましたので、家内と一緒に行って話をしました。
 実は10年以上も前になりますが、私の父が膵臓がんで、『後3か月だよ』と医師に告げられました。その時は、がんであることを父に知らせずに、結局、父は3か月で亡くなったという体験が自分のなかにあったので、自身ががんと宣告された時には少し落ち着けたように思います」
■闘病生活について
 闘病生活ですが???、現在はどのよう状況ですか?
「当初から1か月に1度の入院です。治療は1か月に一度の入院の中で、抗がん剤の種類により、1回から2回の点滴による抗がん剤投与があり、10日から2週間程度で入院期間は変化します。(現在は2回投与で2週間程度の入院)
  がんが見つかった直後は、背骨に1か所転移がみられたことから先に抗がん剤を投与して、背骨に放射線治療をした後、現在まで、抗がん剤の投与を受け続けているところです。
 ところが、転移した背骨のがんは、しばらくして消えましたが、時間が経過するにつれて、今度は他の部位にがんができたり消えたり。だから私は、転移したと言われても、さほど驚きはしませんでした」
■闘病中のがん患者さんに一言???
 闘病中の、がん患者さんに何か一言???。
 「とにかく、何かに夢中になることをお勧めします。私は抗がん剤を飲むときには、とてもいやな気持になっていましたが、絵を描いている瞬間は抗がん剤のことを忘れられます。当たり前のようなことですが、何かに集中し目的を持つことは、すごく大事ですね」
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絵画?写真コンテスト『リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる、わたしの物語』の受賞者のエッセイ
藤井高志(北海道北広島市/63歳)
《最優秀賞》絵画部門(作品名:『羊の思い?わが記録』
藤井高志さんと絵画部門で最優秀賞を
受賞した作品「羊の思い?わが記録』
 人生はかくもドラマチックなものなのかと改めて思う。それが我が身に起こった。順を追って記してゆこう。
 2012年3月末をもって36年間務めてきた地方公務員の職を定年まで2年残して退職した。美術教師の父の影響で、公募展への挑戦をきっかけに油絵を描き続けてきたが、仕事の時間を描くことに傾けたいという思いが抑えられなくなってきたこと、仕事の悩みが日常の気持ちを脅かし始めたことが理由であった。
 家内も中学校の音楽教師として働いてくれたおかげで、わがままを通すことになった。我が世の春といった思いで、存分に絵を描く毎日であったが、旅の話となり、道内中札内への旅行も家内とお母さんとで行ったのだが、たまたまその泊まったところで飼われていた数匹の羊を絵にすることを目的に取材しておいた。
 年も明けた日朝に突然の血痰、検査の結果は肺の癌であり、幾つもの転移が認められ第IV期とのことであった。自分と家族にとって命の限りを感じるショッキングな宣告であった。
 1カ月サイクルで、入院、抗がん剤投与、その後、薬を飲み副作用の様子が問題なければ10日前後で退院、家で生活の繰り返しとなっている。
 担当医の先生や看護師さんとの関わりも大きいと思うが、宣告を受けてからも気持ちが穏やかなこと、多少の副作用があっても、3年を経過する中で、沖縄、京都、伊勢、イタリア、台湾香港クルーズ、ラスベガスの旅、個展も数回行うなどほとんど常人と変わらない、いやそれ以上のことができているのは驚きだ
 当時は牧歌風景として描こうと思い取材したのだが、治療を続けながらこうして描いてみると、まさにこの羊が私自身に思えてくる。いろいろなことがあっても心境がこの羊のように穏やかな精神力を保ちたいとの願いを込めて。
 これからも自分の生きる記録として絵を描くことをライフワークとしていきたいと思っている。
 日本イーライリリー株式会社は、がんと診断された方、およびその家族、友人を対象とした第7回目のコンテスト『リリー?オンコロジー?オン?キャンバス がんと生きる、わたしの物語」の作品募集を開始しました。
 このイベントは、同社が2010年に創設し、がんと告知された際の不安や、がんとともに生きる決意など、がんの経験を通して変化した生き方などを写真、絵画とエッセイで表現し、多くの人と想いを分かち合ってきました。
 今回から、さらに多くの人たちが参加できるよう、写真と絵画に、新しく絵手紙部門が加わっています。
受賞作品は、全国の医療機関や疾患啓発イベントなどで展示されるほか、リリー?オンコロジー?オン?キャンバスのウェブサイト、Facebook
に掲載されます。
「コンテストを通じて、一人でも多くの患者さんや支援者の方々の心に寄り添い、がんになっても自分らしく生きられる社会の実現を目指して継続的なサポートを提供していく」(同社)
 照会先は、TEL: 7(10時?18時 平日のみ)/Email:
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運動は発がんの危険を下げるばかりか罹った人にも効果がある
 運動が、がんの危険を下げるということは、さまざまな研究で指摘されてきたが、がんの種類によって罹る危険を下げることができるがんと、そうでないがんがあることが分かち、先ごろ米国の医師会誌『JAMA』の電子版に公表された。
 これは、米国国立がん研究所(NCI)が144万人の成人を対象に11年間にわたって調査した結果、26種類のがんの発生の危険が明らかになったもの。
 これによると、余暇にウォ-キングやジョギングなどの運動習慣のある人は、半分に当たる13種のがんの発症の危険が低下した。
 運動が、発がん危険との関係はすでに分かっていたが、今回のような大規模試験で、がんの種類を明らかにしたことは過去に例がないため注目されている。
 研究では、平均年齢59歳で体格指数(BMI)が平均26のやや体重が多めの人を対象に、がんに罹ったことのない人を対象に行われた。終了までに、がんに罹った人は18万7000人だった。
 これらの結果から、食道がん、肝臓がん、肺がんなどは運動に効果があるとみられるがんで、非ホジキンリンパ腫、甲状腺がん、胃がんなどは運動との関連は見られなかったものの、 前立腺がんは5%、悪性黒色腫は27%と、逆にがんの危険が上昇することが分かった。
 前立腺がんが運動で高まるのは不明だが、悪性黒色腫は皮膚がんのため野外で日差しに当たることで危険が高まるようだ。
 日本でも、身体活動と発がんの危険との関連調査が行われている。2008年に国立がんセンタ-が行った研究では、仕事や余暇を通じ一日の平均的な身体活動の時間を調べた。
 対象は男性3万7898人で、女性で4万1873人の合計7万9771人で、8年間の追跡調査中に男性2704人、女性1630人の合計4334人ががんになった。
 この結果、男女ともに身体活動の量が多い方が、がんに罹る危険が低下していることが明らかになっている。
 身体活動が最小のグル-プと最大のグループでは男性で0.87倍、女性で0.84倍だった。低下傾向が女性の方によりはっきりみられ、高齢グル-プ、余暇の運動頻度の多いグループが明確な低下傾向がみられた。
 部位別では男性では結腸がん、肝臓がん、すい臓がんで、女性では胃がんなどのがんの危険が明らかに低下した。
 一方、がんになった人の生存の確保やQOL(生活の質)の向上にも運動の効果がありそうだ。これに関連した研究ではがんと診断された後の不活動(運動不足)は死亡率のリスクを増やすことにつながるとの報告(国立がん研究所誌に2013年に載ったバラード?ブラバッシュの研究)がある。
 2011年、「がん研究」に掲載されたリッチマンの研究では、初期のステージの前立腺がんの再発リスクと身体活動は関係があるとしている。
 具体的には週に3時間早足で歩く男性はゆっくり歩く男性に比べて、進行がんの危険を57%低下することが判明した。
 身体活動で、不活動、1時間から3時間、3時間以上の3つのパターンのうち、3時間以上が乳がんの生存者に多かった。
 介入試験では、がん患者のライフスタイルの変更で効果があることを示している。がん患者で運動の介入をACSM(自己診断テスト)で評価した。がんの被験者の運動介入試験85本をチェックした結果、運動の効果の決定的証拠がシュミッツらの研究(2009年「スポーツと運動における医療と科学」)で明らかになっている。
 これによると、エアロビクス?フットネスで乳房、前立腺、血液、筋肉増強で?前立腺、柔軟性で乳房、身体のサイズと組織の改善で乳房と前立腺、?疲労の軽減で乳房、前立腺、血液、QOLの改善で乳房、前立腺、身体機能改善で乳房、前立腺、不安とうつの軽減で乳房などのがんに効果があることが指摘されている。
 さらに、がんの生存者のQOLやがんの治療の後の疲労に運動が影響を及ぼすことを指摘する2012年のクラムらの研究がある。
 運動で効果があるがん
(国立がん研究所の試験)
がんの種類  がんの危険の低下率
食堂がん        42%
肝がん         27%
肺がん          26%
すい臓がん       23%
胃噴門部がん     22%
子宮内膜がん     21%
骨髄性白血病    20%
多発性骨髄腫    17%
結腸がん       16%
頭頸部がん      15%
直腸がん       13%
膀胱がん       13%
乳がん         10%
■長生きの秘訣は食生活にあることを証明してきた”長寿の郷”
 2016年も、棡原地区に新しく入社したスタッフを連れて行く。この試みは、当初、興味のある関係者が集い、自発的に訪問していた。現地で出会った長寿者たちの笑顔と話に感動して、ぜひ若い世代にも、「長寿者たちの生活ぶりを見てもらいたい」と思ったのが最初のきっかけだった。長生きの秘訣が食生活にあることを証明しているのが棡原地区であることをぜひ若い世代に知ってほしいと思っている。
棡原地区への訪問は、まさに「百聞は一見にしかず」である。100歳で亡くなられた長寿者宅、そう何年になるだろうか。アメリカの著名な報道番組(日本の報道ステーションのような内容)で、長寿研究の古守豊甫医師とともに共演していただいた長寿者宅には、何年もの間、通い続けてきた。
 いつも、快くわれわれの訪問を承諾していただき、その都度、有意義なお話を聞かせていただいた。とくに食生活は、肉食やインスタント食品、ファーストフードなどを好む若い世代の食生活とはまったく異なり、野菜や穀物を中心とした食生活を続けてきたことは、本欄で何度も紹介してきた。
 長寿者たちの食生活を、そのまま体験できるのが民宿の梅鶯荘だが、ここもABC放送のロケをさせていただいた。古守医師と女性キャスターとの対談、当時、この民宿を切り盛りされていた80歳を越す女性経営者の長寿食を調理する光景を撮影させていただいた。
 古守医師は、お会いするたびに、ご著書を恵送いただいた。筆で、御礼状とともに私の氏名を書かれ、サインが付記されていた。一言一言、文章には、いつも温かい心のこもった一文が記されていたご著書は、私の書架に大切に保管させていただいている。
■長寿者たちの食生活の中身
 若い世代を連れた棡原地区訪問の理由は、長寿者たちの食生活を体験することにある。欧米風食生活に慣れた若い世代にとって、棡原地区に住み長生きをしてきた多くの人々が食べてきた食事を食べて、味をかみしめることで、かつての食生活の実態を学ぶことができるからである。
 私自身は、毎年、梅鶯荘で長寿食を食べてきたが、飽きることはなかったし、今も美味しく食べている。魚や肉は食卓にはのぼらないが、「キビごはん」、大麦をペースト状にして自家製の味噌をつけて食べる「オバクごはん」、皮つきのジャガイモを油でいためた「セイダノタマジ」、旬の野菜の「てんぷら」、手づくりの「コンニャク」、具だくさんの「味噌汁」、手製の味噌で野菜をタップリ入れて煮込んだ「ほうとう」???そして古守医師が好んで食された「酒まんじゅう」は地元の名物になっている。
 長寿者宅では、大概、自家製の味噌づくりをしてきた。100歳で亡くなられた長寿者宅にも、大きな味噌樽があった。取材させていただいた長寿者宅でごちそうになった食事は薄味で、とても美味しかったことを思い出す。
■若い世代を”長寿の郷”に連れて行く必然性
 棡原地区を訪れた多くのことを学んだが、長寿には食生活が大きく関与していること。腸内細菌の善玉菌を増やす食物繊維中心の食生活、塩分は少なく、もちろん水や空気も関与している。急坂にある畑での作業=運動、支え合う心等々???都会に住む人々が見習わなければならないことばかりだ。
 車社会で歩かなくなった、肉食を中心とした食生活で動物性たんぱく量の過剰摂取、塩分の多いインスタント食品、ファーストフード、栄養過多???その結果、糖尿病患者の増加をはじめとする生活習慣病の多発。それが日本の国民総医療費を40兆円に押し上げた大きな要因となっている。
 古守医師は、何度も警告した。子供が親よりも先に死ぬ”逆さ仏現象“にならないよう、「今のうちから緑黄色野菜を中心とした食生活の実行と運動、ストレス解消の三本柱の実践こそが、健康体の維持?向上に結び付くことになる」ことを肝に銘じるべきである。
 政府はいま、健康寿命延伸を推進している。このゴールヘのヒントが、棡原地区にあることを伝えたいと思っている。
 若い世代を毎年、棡原地区に連れて行き長寿食を体験する必然性がここにあるのだ。
連載『“長寿の郷”(棡原地区)が語る』
第24回 忘れ得ぬ人々の笑顔&
“長寿の郷”を訪ね長寿者宅を何軒もうかがった1985年のある日、長寿地区取材チームは、3人の長寿者にお会いした。取材チームが綴ったレポートの中身を紹介しよう。筆者は私と、

我要回帖

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